実施成果

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具体的なデータや数字で、実施成果をご紹介します。

スコープ1,2,3のCO2排出量

わたしたちは調達、製造、輸送に至るバリューチェーンにおける環境負荷の低減、CO2排出量の削減に努めています。
スコープ1,2について、公平性・透明性・信頼性確保の観点から、各工場の省エネ法に基づくエネルギー使用量に対し
第三者検証を実施し、保証を取得しております。

ライフサイクル全体のCO2排出量

(tCO2)
直接排出(スコープ1) 間接排出(スコープ2) サプライチェーン上に
おける排出(スコープ3)
ライフサイクル全体の
排出量
2022年度 369,454 883,311 657,287 1,910,052
2023年度 377,996 1,036,163 615,034 2,029,193
2024年度 342,912 876,840 581,225 1,800,977
2022年度
直接排出(スコープ1) 369,454
間接排出(スコープ2) 883,311
サプライチェーン上に
おける排出(スコープ3)
657,287
ライフサイクル全体の
排出量
1,910,052
2023年度
直接排出(スコープ1) 377,996
間接排出(スコープ2) 1,036,163
サプライチェーン上に
おける排出(スコープ3)
615,034
ライフサイクル全体の
排出量
2,029,193
2024年度
直接排出(スコープ1) 342,912
間接排出(スコープ2) 876,840
サプライチェーン上に
おける排出(スコープ3)
581,225
ライフサイクル全体の
排出量
1,800,977

スコープ1,2のCO2排出量推移

※集計範囲:田原工場、岡山工場、九州工場、宇都宮工場の国内4工場

エネルギー消費量と原単位の推移

※2023年度以降の実績値は、改正省エネ法の算定ルールに基づき算出している。

スコープ3 カテゴリ別CO2
排出量算定(2024年度)

東京製鐵は、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver.3.3)」、省エネ法、取引先からの ヒアリング等をベースとして、非該当の4カテゴリーを除く、11カテゴリーを対象にスコープ3の試算を行っています。今後ともスコープ3の算 定精度の向上と、排出量削減に努めていきます

カテゴリ CO2排出量 (tCO2) 割合(%) 備考
1 製品・サービス購入 42,185 7.3% -
2 資本財 76,291 13.1% -
3 エネルギー関連活動 134,355 23.1% -
4 輸送・配送(上流) 64,007 11.0% -
5 事業から出る廃棄物 4,008 0.7% -
6 出張 161 0.0% -
7 従業員通勤 841 0.1% -
8 リース資産(上流) - - 非該当
9 輸送・配送(下流) 32,428 5.6% -
10 販売した製品の加工 171,785 29.6% -
11 販売した製品の使用 - - カテゴリー10に含まれる
12 販売した製品の廃棄 42,185 7.3% -
13 リース資産(下流) - - 非該当
14 フランチャイズ - - 非該当
15 投資 12,980 2.2% -
合計 581,225 100% -

※ このテーブルは横にスクロールできます。

  • ・カテゴリ1 製品・サービス購入当社はサプライヤーに対して、鉄スクラップ加工におけるCO2排出原単位の削減を呼びかけていきます。
  • ・カテゴリ4 輸送・配送(上流)当社はサプライヤーに対して、鉄スクラップ輸送におけるCO2排出原単位の削減を呼びかけていきます。
  • 当社はモーダルシフトと輸送距離の短縮を促進し、製品輸送におけるエネルギー原単位の削減を目標として定めています。

スコープ3のCO2排出量内訳

当社製品普及に伴うCO2排出量削減(Avoided Emissions)

わたしたちの脱炭素製品の販売を通じて達成したCO2排出削減量の推移についてご紹介します。
年間のCO2排出量を、2030年に▲800万t、2050年に▲1,300万t削減することを目標に取り組みを進めてまいります。

※ 当社製品普及に伴うCO2排出削減量の算出方法は以下の通りです。

高炉製品代替数量 = 製品出荷量 - 中小形鋼及び異形棒鋼出荷量 = 鋼板、大形形鋼、コラム出荷量
高炉製品代替によるCO2排出削減量 = 0.4t-CO2/t - 2.0t-CO2/t = ▲1.6t-CO2/t
現在の当社製品普及に伴うCO2排出削減量 = ▲1.6t‐CO2/t x 高炉製品代替数量
2030年の当社製品普及に伴うCO2排出削減量 = ▲1.4t‐CO2/t x 高炉製品代替数量
2050年の当社製品普及に伴うCO2排出削減量 = ▲1.3t‐CO2/t x 高炉製品代替数量

再生可能エネルギーの活用・普及に向けて

東京製鐵は電力多消費事業者として、再生可能エネルギー等の非化石エネルギー起源の電力普及にあわせ、2050年における再生可能エネルギー 100%の社会の実現に貢献してまいります。現在、再生可能エネルギーの活用促進を目的とし、当社の国内4工場において、年間発電能力が約1,000万kWhとなる屋根置き型の太陽光発電設備を稼動させています。田原工場では、屋根置き型としては日本最大級となる発電能力年間650万kWhの太陽光発電設備を設置し、2021年2月に稼動を開始しています。当事業は、2019年に公益財団法人日本環境協会(JEA)が実施する「2019年度(平成31年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業)」において、補助金公募採択事業として認められました。さらに、田原工場では、工場内遊休地を有効活用し、発電事業者による太陽光発電・風力発電を行い、再生可能エネルギーの普及にも貢献しています。田原工場に加えて、2021年2月には宇都宮工場および九州工場において、2021年7月には岡山工場においても、太陽光発電設備が稼動を開始しました。2024年10月、田原工場において、太陽光発電設備を増設しました。太陽光発電設備からの電力は全量を自社で使用し、レジリエンスの強化と再生可能エネルギーの活用促進をはかります。
九州工場では、九州地区における太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの発電量の増加に伴い、余剰となった平日日中の電力を電気炉の稼動によって吸収する「デマンドレスポンス(上げDR)」を実施しています。上げDRは、従来の操業パターンの延長線で実施することができ、新しい技術を導入する必要が無いため、比較的容易に再生可能エネルギーの導入や生産量の拡大をはかることが可能です。2022年度の春秋の2シーズンにおいては、計3回の上げDRを実施し、約200万kWhの需要を創出しました。2018年から開始した上げDRの取り組みよって、これまで九州地区において累計約1,800万kWhの電力需要を創出しています。当社では、引き続き電気炉の柔軟な操業システムを活用し、今後も積極的な再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいります。

稼働中の太陽光発電設備

工場名 太陽光パネル発電容量(年間発電量) 稼動開始日
田原工場 15,100kW(年間1,660万kWh) 2021年2月~2024年10月
岡山工場 750kW(年間90万kWh) 2021年7月~2024年9月
九州工場 800kW(年間80万kWh) 2021年2月
宇都宮工場 2,000kW(年間200万kWh) 2021年2月
合計 18,650kW(年間2,030万kWh) -

太陽光パネルを設置した田原工場製品倉庫屋根

九州工場の電気炉

九州工場長の声
デマンドレスポンスによる電力需要の創出

電炉製鋼法は、電気炉内の鉄スクラップと黒鉛電極の間に電流を流し、発生した高温のアーク熱を利用して大量の鉄スクラップを溶解する製鉄プロセスです。わたしたち電炉メーカーは、製鋼工程において膨大な電力を消費することから、いわゆる「電力多消費産業」に分類されます。それゆえに、わが国の電炉メーカーの多くは、電気炉を稼動させる時間帯を、電力料金が比較的安価な平日夜間や休日に集中させています。
当社の九州工場が立地する九州地区では、2017年頃から、主に太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの発電量が増加し、日中の供給量が需要量を上回る可能性が出ていました。当社は、九州電力様からのご提案もあり、電力供給量が需要量を上回りそうな平日昼間に電気炉を稼動させることで、消費者側で電力需要を創出する「デマンドレスポンス(上げDR)」の実施を決定しました。これまで、電気炉の操業は時間帯が限られた中で行われてきましたが、安価な平日昼間の余剰電力を活用することが可能となれば、生産量の拡大や省エネルギー化、さらに電力コストの低減にも繋がり、当社にとって大きなメリットとなる上、再生エネルギーの有効活用にも繋がります。2024年度は春秋の2シーズンにおいて、計16回の上げDRを実施し、延べ約330万kWhの電力需要を創出することができました。当社では、今後も電炉製鋼法と再生可能エネルギーの高い親和性を生かし、様々な取り組みを進めてまいります。

常務執行役員 九州工場長
兒島 和仁

再生可能エネルギー普及への貢献

田原工場では、工場内遊休地を有効活用し、発電事業者による太陽光発電・風力発電を行い、再生可能エネルギーの普及にも貢献しています。

発電事業者 発電方法 発電能力 発電電力量 運転開始 CO2削減量
㈱シーエナジー 太陽光発電 15MW 年間1500万kWh 2016年5月 7,000t-CO2/年(*1)
㈱関電エネルギーソリューション 風力発電 6MW 年間1400万kWh 2014年5月 4,900t-CO2/年(*2)
実施年度 2018
対象施設数 太陽光発電
測定箇所数 6
自主管理基準値
(μg-Hg/Nm³)
50
達成率
(%)
100
評価 対象となる電気炉から発生する水銀は、排ガス処理設備の集塵機により除去されており、大気へ排出されるガス中の水銀濃度は全て自主管理基準値内であった。
発電事業者 ㈱関電エネルギーソリューション
発電事業者 風力発電
発電能力 6MW
発電電力量 年間1400万kWh
運転開始 2014年5月
CO2削減量 4,900t-CO2/年(*2)
  • *1 ㈱シーエナジー発表数字 2011年度中部電力(株)CO2排出係数 0.469kg-CO2/kWhにて計算。
  • *2 ㈱関電エネルギーソリューション発表数字 2008-2012年度中部電力㈱のCO2排出係数の平均値0.405kg-CO2/kWhにて計算。

廃棄物リサイクルの取り組み

ゼロエミッション活動の推進

国内4工場での生産時に発生する副生成物(スラグ、ダスト等)、工程及び付帯する装置によって発生する
所内発生物(水処理汚泥、レンガ屑等)の再利用・再資源化を進め、全社リサイクル率100%を目標にゼロエミッション活動を進めていきます。

全社リサイクル率

環境リサイクル事業

世界最高水準の操業技術を活用し、電気炉による廃棄物の無害化処理を行うことで、循環型社会の実現に貢献しています。2016年に岡山工場では廃乾電池の処分許可を取得し、電気炉による廃棄物のリサイクル(再資源化)を通じて、鉄や亜鉛等の回収を行っています。資源として日の目を見ることなく埋め立てや放置されている金属資源や、廃棄物処理の大きな障害となっている処理困難物のリサイクル処理にも当社の技術を活用してまいります。

岡山工場の「廃棄物処理施設の維持管理情報」はこちら

Car to Car実現への取り組み

鉄スクラップを用いた自動車用鋼材の製造と水平リサイクルの推進

東京製鐵では、鉄スクラップ中に含まれるトランプエレメントや希少金属の活用により、鉄スクラップを主原料として高品位の鋼材を製造する技術を確立してきました。
高度なプロセス制御による Cu 脆性の無害化・品質バラつきの低減を通じて、鉄スクラップの高度利用と、電気炉鋼材の適用範囲の拡大を進めています。

自動車起源の鉄スクラップ(製造過程で発生する新断屑、使用済み自動車より製造されるシュレッダー屑及び全部利用Aプレス等)の発生量は多く、貴重な鉄資源となっております。
これを主原料として自動車用鋼材へと戻す水平リサイクルの推進「Car to Carの実現」は日本国内における循環型社会の実現に大きな意義を持っており、わたしたちは国内最新鋭の薄板専用工場である田原工場を中心に、研究開発・製造を進めています。

環境省 鉄スクラップの高度利用化調査概要

研究成果
東京製鐵の研究成果の一部をご報告します。

全部利用Aプレスの利用促進における環境負荷低減

現在、自動車リサイクル法では自動車メーカー等にエアバック、フロン、シュレッダーダスト(以下、ASR:Automobile Shredder residue)の引き取り・破壊・再資源化の義務を課しています。
全部再資源化(以下、全部利用)とは、ASRを生じさせない方法で使用済み自動車の再資源化を図るものです。自動車メーカーは解体事業者等に使用済み自動車の精緻な解体を委託し、全部再資源化プレス(以下、全部利用Aプレス)が製造されます。全部利用Aプレスは、電炉メーカー等へ製鋼原料として納入され、シート・内装部品・ガラスと共に電気炉等へ投入され、効率的にリサイクルされています。

東京製鐵は2013年より、コンソーシアム契約を締結した事業者より、全部利用Aプレスの受入を開始しています。
電炉トップメーカーとして、全部利用Aプレスの使用実績は国内最大となっております。

昨今のシュレッダーダスト処理施設での処理状況のひっ迫を受け、全部利用Aプレスの受入は鉄スクラップの品質確保と、将来にわたる国内資源循環を維持していくために、従来以上に重要性を増しています。当社は全部利用Aプレスの利用促進を通じて、循環型社会の実現に貢献してまいります。

事業所 THチーム ARTチーム
田原工場 2015-11-05 2016-04-21認定書
岡山工場 2013-11-07 2014-02-26認定書
九州工場 2014-02-03 2014-04-30認定書
宇都宮工場 2013-10-07 2014-01-21認定書
岡山工場
THチーム 2013-11-07
ARTチーム 2014-02-26認定書
九州工場
THチーム 2014-02-03
ARTチーム 2014-04-30認定書
宇都宮工場
THチーム 2013-10-07
ARTチーム 2014-01-21認定書
田原工場
THチーム 2015-11-05
ARTチーム 2016-04-21認定書

※コンソーシアム評価・審査チームは、THチーム(トヨタ・ホンダなどの8社)とARTチーム(日産・マツダ・三菱・富士重工業など13社)があります。

全部利用Aプレス使用実績推移

水銀大気排出抑制の取り組み

大気汚染防止法に基づく要排出抑制施設の自主的取り組み

平成30年4月施行の改正大気汚染防止法により、水銀の排出を抑制する施設(以下、要排出抑制施設)として電気炉が指定されました。

大気汚染防止法
第18条の37(要排出抑制施設の設置者の自主的取組)
工場又は事業場に設置される水銀等を大気中に排出する施設(水銀排出施設を除く。)のうち、水銀等の排出量が相当程度多い施設であって、その排出を抑制することが適当であるものとして政令で定めるもの(以下この条において「要排出抑制施設」という。)を設置している者は、その要排出抑制施設に係る水銀等の大気中への排出に関し、単独で又は共同して、自ら遵守すべき基準を作成し、水銀濃度を測定し、その結果を記録し、これを保存することその他の水銀等の大気中への排出を抑制するために必要な措置を講ずるとともに、当該措置の実施の状況及びその評価を公表しなければならない。

下表に2024年度 水銀要排出施設 自主的取り組みの実施状況、及びその評価について公表いたします。

実施年度 対象施設数 測定箇所数 自主管理基準値
(μg-Hg/Nm³)
達成率
(%)
評価
2024 4 ※1 6 50 100 対象となる電気炉から発生する水銀は、排ガス処理設備の集塵機により除去されており、大気へ排出されるガス中の水銀濃度は全て自主管理基準値内であった。
実施年度 2022
対象施設数 4 ※1
測定箇所数 6
自主管理基準値
(μg-Hg/Nm³)
50
達成率
(%)
100
評価 対象となる電気炉から発生する水銀は、排ガス処理設備の集塵機により除去されており、大気へ排出されるガス中の水銀濃度は全て自主管理基準値内であった。

※1.岡山工場の電気炉においては廃棄物焼却炉として管理する為、対象施設に含まない。
⇒ 岡山工場の「廃棄物処理施設の維持管理情報」はこちら

統合報告書・環境報告書

東京製鐵のサステナビリティ課題への取り組みをまとめた統合報告書・環境報告書をご覧いただけます。

2023-2024 統合報告書
(12.3 MB /A4, 29 pages)

2023-2024 統合報告書

統合報告書2023-2024 印刷用

2022 統合報告書
(6.3 MB /A4, 25 pages)

2022 統合報告書

統合報告書2022 印刷用

2021 環境報告書
(3.0 MB /A4, 19 pages)

2021 環境報告書

環境報告書2021 印刷用

2020 環境報告書
(2.0 MB /A4, 32 pages)

2020 環境報告書

PDF

2019 環境報告書
(3.4 MB /A4, 32 pages)

2019 環境報告書

PDF

2018 環境報告書
(3.18 MB /A4, 24 pages)

2018 環境報告書

PDF

2017 環境報告書
(2.93 MB /A4, 24 pages)

2017 環境報告書

PDF