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 海外マーケットは、米国経済は概ね堅調に推移しているものの、足元では製造業において、個人消費の鈍化による影響の為、需要は停滞し鋼材価格は調整局面にあります。欧州も雇用は改善の兆しが出ているものの、米国同様に消費停滞が続いており、鋼材需要は未だ回復力の弱い状況にあります。また中国では、今も内需は力強さを欠き鉄鋼製品は輸出頼みとなり、特にアジア地域では鋼材の過剰感が強く、国際市況は値下げ傾向にあります。然し、鉄鋼原料は高値推移が依然として継続している為、鉄鋼メ-カ-の収益は圧迫されていることから、今後、鉄鋼製品の取引価格の下げ傾向は収って来ると思われますが、引き続き、世界並びに中国の経済動向および鉄鋼需給の変化を慎重に注視して参ります。
 国内マーケットは、建設需要は労働力不足による施工能力の減少に加え、建設関連設備の供給力不足も顕在化している為、施工会社の受注姿勢は未だ積極性を欠く状況が続いています。その為、特に中小建築物件への影響は大きく、施主の発注意欲はあるものの、その具体化には時間を要しており、建材品種の荷動きは全国的に停滞しています。然しながら、公共インフラ工事を中心とした土木関連需要は底堅く推移しており、また民間案件においても新規や再見積りの案件が施工会社に寄せられていることから、今後の鋼材需要の持ち直しに伴う市況の改善が期待されます。
 鋼板品種では、足元の自動車関連需要は回復が遅れ、また建機分野では海外需要の減少による生産の見直しが行われる等、薄板及び厚板は需要の調整局面を迎えており、鋼材の商況は様子見の展開となっています。更に輸入鋼材についても、引き続き注意が必要な状況にありますが、一方で、流通の購入意欲は低く、在庫調整を優先していることから、今後、需要の持ち直し次第では、国内鉄鋼メーカ-の供給抑制姿勢の継続と相まって、流通在庫の調整が進展し、製品市況は回復するものと思われます。
 以上のような状況の下、国内外の需給環境と市況動向を、しっかりと見極めるため、今月は全品種据置きと致します。引き続き、需要に見合った生産を継続し、需給の調整に努めます。
 なお、東京製鐵のグリ-ン鋼材『ほぼゼロ』を全品種対象に+\6,000/トンにて、販売を開始しております。よろしくお願いいたします。

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