電気炉×再生可能エネルギー「ほぼゼロ」のしくみ!

POINT OF EVOLUTION 01 環境にやさしい電気炉の鉄鋼生産プロセス

主原料である鉄スクラップを電気炉に投入し、電力などを用いた溶解、精錬を経て約1,600度の溶鋼を取鍋に出鋼します。 近年は、炉外精錬炉の採用などにより、成分の精密な調整が可能となっています。溶鋼は連続鋳造機にかけられ、圧延素材としての鋼片(半製品)となります。鋼片(半製品)は加熱炉で再加熱され、圧延機で最終製品へと仕上げられていきます。

POINT OF EVOLUTION 02 製造時に使用する電力に着目し、「ほぼゼロ」が誕生

電気炉でリサイクル鋼材1トンを
製造する際、発生するCO₂を
約0.4トンに抑えることができます。
そのうちの約0.3トンが、
製造時の電力起因(間接排出/Scope2)
によるCO₂です。

製造時のCO₂総排出量(鋼材1トンを製造する場合)高炉鋼材と比べてCO₂排出量約1/5

電気炉の製造段階におけるCO₂排出量の起因別内訳

石炭(コークス)、都市ガスと比較して電力の割合が最も多い

電力起因のCO₂排出量を削減する方法

  • 1. 太陽光など自家発電設備の導入
  • 2. 電力会社などから再エネを購入
  • 3. オフサイトPPA・バーチャルPPA実施
  • 4. デマンド・レスポンス(上げDR)の実施
  • 5. 非化石証書の購入など

「ほぼゼロ」は、
電力起因のCO₂排出量を
非化石証書や上げDRなどを活用して
最大限に削減し、
製造時のCO₂排出量を約0.1トンにまで
削減しました。

「ほぼゼロ」 製造時のCO₂排出量(鋼材1トンを製造する場合) ほぼゼロ約0.1トン 従来の電気炉鋼材と比べてCO₂排出量約1/4

POINT OF EVOLUTION 03 低CO₂鋼材「ほぼゼロ」のCO₂排出量について

「ほぼゼロ」のCO₂排出量は、
「ISO 14067」および
「カーボンフットプリント
ガイドライン(経済産業省・環境省)」
に基づいて算定した
カーボンフットプリント(CFP)です。

「ほぼゼロ」のCO₂算定範囲(システムバウンダリー)

「ほぼゼロ」のCO₂排出量は、GHGプロトコルのScope 3算定に使用可能と認識しています。

鋼材製造時の電力に対し
「追加性のある非化石証書」や
「デマンド・レスポンス
(上げDR)」を活用して
電力起因のCO₂排出量を削減

POINT OF EVOLUTION 04 非化石証書の活用について

RE100の追加性要件を満たす、
トラッキング付き
FIT非化石証書を使用

東京製鐵が取引市場から購入する非化石証書は、発電設備や運転開始時期などのトラッキング情報が付与されている証書を使用し、RE100などの国際イニシアティブが求める追加性の要件を満たすことで、わが国における再生可能エネルギーの拡大に寄与しています。

貢献・活用事例

シンガポール鋼材商社
Steelaris社 様

導入製品
厚版 約6,000トン

海外向け製品「Ultra LowCO2Emissions Steel」

シンガポール政府の「Singapore Green Plan 2030」に基づくグリーンスチール需要拡大に応え、約6,000トンの厚版を輸出。

海外環境先進企業のニーズにも対応し、製品別のEPD取得などにより透明性のある情報提供を行っています。

関東建設工業株式会社 様

導入製品
H形鋼 約3,000トン

関東建設工業が施工する太田駅前再開発事業で、総鉄骨量の過半数にあたる約3,000トンのH形鋼が採用。大学の移転先となるビルや商業施設等で活用されます。

建設段階で排出される素材由来のCO₂削減に「ほぼゼロ」の活用を通じて大きく貢献しています。

NECネッツエスアイ株式会社 様

導入製品
薄板

グリーンスチールを活用した通信設備材の提供を目指す、NECネッツエスアイの取り組みに共感し、試作される架台の素材として薄板を供給しました。

企業同士の協働を通じたサプライチェーン全体でのCO₂削減活動に積極的に参画しています。

※2025年6月末時点