■熱延広幅帯鋼 (ホットコイル)
●広幅帯鋼とは
 ストリップミルで連続圧延された薄板をコイル状に巻き取ったもので、
幅500oを超えるものを広幅帯鋼と呼び、そのうち熱間圧延されたものを
熱延広幅帯鋼(以後ホットコイル:写真1)と呼びます。
 ホットコイルには産業・建設機械、家電製品、建築物、自動車等の構造
部材や外板に加工され使用されており、高度な材質、内質、表面品質、
加工性が要求されます。

写真1 ホットコイル
●生産の状況
 平成3年(1992年)に国内で初めて電気炉によるホットコイルの生産を開始いたしました。
今日では、このホットコイルを母材に酸洗コイル、溶融亜鉛メッキコイルと品種を拡大しています。
●製造方法
 電炉鋼によるホットコイルの製造は、炉底出鋼方式の直流電気炉(写真2)と取鍋精錬炉、
従来型のスラブ連続鋳造機を組み合わせた上に、コイルボックスを利用した世界最短の生産
ライン長のホットストリップミル(写真3)を使用し、電炉鋼による高品質ホットコイルの生産を
実現しています。


生産フロー

写真2 直流電気炉

写真3
ホットストリップ仕上げ圧延機
●品質管理
 ホットコイルは、多目的、多方面にわたり加工使用されるため製造する鋼種が多くなります。
また製品が高級化するにつれて品質保証を考慮したデータ管理が重要になってきます。その
要求に応えるため、化学分析のほかスラグ分析、ガス分析(O、N)を全自動で行うとともに、
引張試験もロボット化し、データの採取から処理まですべて自動化しています。
 これにより製品(コイル)個々の製造履歴データが、製造開始から出荷まで確実に蓄積され
品質の維持改良に役立てられています。
●品質特性
 ホットコイルに要求される品質は、二次加工の目的、方法により多岐にわたりますが、最新鋭
の設備と蓄積した操業技術により、顧客のニーズにあった品質設計を行っています。
 a)化学成分
  ホットコイルは、酸洗・メッキの母材コイルを含め全量低Sで製造しています。

  製造中の介在物は、炉底出鋼や取鍋精錬炉等を用いて極限まで除き、
  厚さ0.3oまでの冷間圧延にも問題なく使用されています。
 b)表面性状
  ホットコイルは加熱炉の燃焼制御、炉圧制御や、高圧デスケーラーにより

  キズの無い表面性状が得られているとともに、圧延温度をコントロールする
  ことで非常に薄いタイトスケールとなっております。また、このホットコイルを
  母材として製造して
いる、酸洗コイル、溶融亜鉛メッキコイルも滑らかな
  表面性状を実現しています。
 c)寸法精度
  寸法精度や形状の改善に、コイルボックス設備(写真4)の効果があります。

  コイルボックスは粗圧延後の圧延材を、一度コイル状に巻き取ります。
  これに
より圧延材料全長の温度を均一化するとともに、非常に安定した
  仕上げ圧延
温度が得られます。仕上げ圧延温度が安定することにより、
  板厚のバラツキが
非常に小さくなり、またクラウン、ウエッジ、エッジドロップも
  小さく製造できています。
 d)二次加工性
  製鋼段階で徹底して介在物を除去した清浄度の高い鋳片を、安定した
  仕上がり
温度で圧延することにより、コイル全体にわたり結晶粒度の
  そろった加工性の良い微細粒が得られています。
  また、形状においてもクラウンが非常に小さく、スリッター・フォーミングに
  適しています。

写真4 コイルボックス

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